一方、一般社団法人日本補聴器工業会のアンケートによりますと、難聴だと感じていると自己申告された方のうち、補聴器を使用されている方は13.5%です。これは、他の先進国と比べて使用率(普及率)が非常に低い状況です。
他国の補聴器の使用率(普及率)を見てみますと、
アメリカでは、約30%、ドイツでは、約34%、イギリスでは、約42%であり、日本の使用率(普及率)は他の先進諸国に比べると半分にも満たないのが現状です。
《何故、補聴器を使用しないのか?
その理由は…》
なぜ、補聴器の装用が必要な状態にも関わらず補聴器を使用しない方が多いのでしょうか。
1つには、難聴は徐々に進行するため補聴器の必要性を感じにくかったり、難聴に対するご理解が薄いことが挙げられます。
人は誰しも、少しずつ長い年月をかけて聞こえが悪くなっていきます。そのため、ご本人は耳が遠くなっている状況に慣れてしまい、聞こえが悪い状況であってもそのことが普通だと感じているため、医療機関を受診されないケースが有ります。あるいは、難聴を自覚されていても年だからしょうがないと半ば諦めていらっしゃる方もいらっしゃいます。
もう一つは、補聴器を使用することに対する抵抗感を持たれていることです。実際に補聴器を所有するまでに様々なハードルをご自身が持たれているということです。
例えば、
- 難聴がそれほどひどくない
- 難聴ということを知られたくない
- 片方の耳は聞こえているから
- 補聴器を使用している人に聞いて良い印象がない
- 補聴器のデザインが格好悪い
- 補聴器の価格が高い
- 見た目が格好悪い、恥ずかしい
- 補聴器を装着した際のハウリングや騒音が不快
- 補聴器を使用しても元の聞こえには戻らない
などなど、様々なお考えをお持ちのようです。
ご自身に難聴の自覚がなくても、ご家族を含め周囲の方が困っていらっしゃることもあります。治療をすることで改善する難聴もあります。難聴を自覚された際にはお早めにお近くの耳鼻咽喉科を受診していただき、一度ご自身の耳の状態がどうなのか、聴力がどの程度なのか、診察・検査を受けられることをお勧めいたします。